今回の呼びかけですが、社会的マイノリティ支援の一環として行うものであり、特定の宗教への支援を意図するものではありません。
そのことを冒頭に申し上げます。
日本キリスト教団浦河教会は北海道・浦河町にあり、
2016年に精神疾患当事者が主体となって立ち上げたプロテスタント系の教会です。
1956年に信徒の居宅に立ち上げた浦河伝道所が起こりとなっています。その後社会・経済状況の変化で存続が危ぶまれる中、日赤浦河病院に勤務した三名のキリスト者看護師が牧師館に住み込み、主日礼拝を中心に協会活動を維持し、
1978年に日赤浦河病院に加入したソーシャルワーカー・向谷地生良氏(現北海学園大学教授)と精神疾患当事者3人による
「回復者クラブどんぐりの会」が浦河教会の旧会堂を拠点として、教会活動を展開しています。
1975年に信徒の寄付により新会堂・牧師館ができ、80年に専任牧師を迎え、旧会堂は手を加え会員の住い「べてるの家」として提供しました。伝道所は1983年から精神疾患当事者たちと昆布販売事業を企画・展開し、アルコール依存症・ギャンブル依存症当事者やアイヌ民族の方々とともに信仰の道を歩み、地域とともに生きる活動を展開しています。
1993年に地域のスパーの清掃や病院の給食の食器洗浄などの請負や介護用品の販売など、浦河町を中心に多岐に渡る事業を展開する有限会社福祉ショップべてるを設立、2002年に社会福祉法人浦河べてるの家を設立しています。現在はNPO法人セルフサポートセンター浦河などの活動にも広がっております。
現在、浦河教会が教会員の宿舎として提供している居住空間は住まいとして建築したものではない上、現代の耐震基準に満たない建物であり、メンテナンスにも年間80万円あまりを費やしている他、入居者の高齢化、車椅子障害当事者などへのバリアフリー対応にも迫られています。また、浦河教会のある浦河沖は地震多発地帯であり、対応は待ったなしと言わざるを得ません。
カトリック信者の方々にとっては意にあわない話であることは承知です。ですので無理に呼びかけようとは思っておりません。ですが、社会的マイノリティの居住空間の整備の観点からこの呼びかけは必要だと思っています。
その点、ご理解いただけますようお願いいたします。